2026年10月6日時点で、第39回日刊スポーツ映画大賞の日程は公式ページに掲載されていません。公式トップは、2025年12月28日に発表された第38回の受賞一覧のままです。この記事では、日刊スポーツ映画大賞の新人賞と石原裕次郎新人賞について、賞の成り立ち、2つの賞の選考の違い、第38回の選考経過、歴代の受賞者、受賞者のその後を、公式ページと日刊スポーツの記事で確認できた範囲で整理します。受賞の予想は書きません。
日刊スポーツ映画大賞とは
日刊スポーツ映画大賞は、戦後を代表する映画スター、石原裕次郎さんが亡くなった翌1988年に設立された賞です。石原プロモーション(現・株式会社石原音楽出版社)の全面協力のもとで始まりました(出典:日刊スポーツ映画大賞 概要)。
部門は、作品、監督、主演男優・主演女優、助演男優・助演女優、新人、外国作品の各賞です。これらとは別に、石原裕次郎賞と石原裕次郎新人賞が併設されていて、受賞者には株式会社石原音楽出版社から賞金が贈られます。贈賞盾には、黒澤明監督が映画『夢』のために描いた絵コンテのレリーフが使われています。この盾は1995年の第8回から贈られています(出典:日刊スポーツ映画大賞 概要)。
第1回の受賞者は、渥美清さん、吉永小百合さん、真田広之さん、秋吉久美子さん、後藤久美子さん、緒形直人さんです。33回目の2020年度からは、受賞者・受賞作品を配信で発表しています。それまでの過去32回は、石原裕次郎さんの誕生日である12月28日に、都内のホテルで授賞式が開かれていました(出典:日刊スポーツ映画大賞 概要)。
選考委員については、公式の概要ページに次のように書かれています。
「選考委員は政治、経済、放送、演芸など各界の映画愛好者から構成され、映画ファンの目線に近い選考を目指しています。」(出典:日刊スポーツ映画大賞 概要)
公式の概要ページに掲載されている選考委員は次のとおりです(敬称略、50音順)。
- 石飛徳樹(朝日新聞記者)
- 伊藤さとり(映画パーソナリティー)
- 笠井信輔(フリーアナウンサー)
- 神田紅(講釈師)
- 河内利江子(石原音楽出版社)
- 駒井尚文(映画.com編集長)
- 品田英雄(日経BP総研客員研究員)
- 寺脇研(映画評論家)
- 橋本亮(共同通信記者)
- 服部宣之(テレビ朝日ストーリー制作部長)
- 福島瑞穂(参院議員)
- 日刊スポーツ選考委員:相原斎(映画大賞事務局)、村上久美子(西日本写真部長)、中島正好(東京本社文化社会部次長)、村上幸将(同映画担当)
(出典:日刊スポーツ映画大賞 概要)
新人賞と石原裕次郎新人賞の違い
日刊スポーツ映画大賞には、新人を対象にした賞が2つあります。第38回の選考会の議論を伝える日刊スポーツの記事は、2つの賞の決め方を次のように説明しています。
「新人賞はノミネートを集計した上位5人、石原裕次郎新人賞は、各選考委員から推薦があった俳優を、それぞれ選考会で議論した上で投票し、決定。」(出典:日刊スポーツ 【映画大賞】石原裕次郎新人賞は黒川想矢「将来性を…」新人賞は林裕太/選考会議論公開)
| 新人賞 | 石原裕次郎新人賞 | |
|---|---|---|
| 議論に進む候補 | ノミネートを集計した上位5人 | 各選考委員から推薦があった俳優 |
| 決め方 | 選考会で議論した上で投票 | 選考会で議論した上で投票 |
| 受賞の条件 | 過半数の8票 | 過半数の8票 |
過半数の扱いは、投票結果の末尾に次の注記があります。
「※過半数の8票を得た作品、俳優が受賞」(出典:日刊スポーツ 選考会議論公開)
対象についても、同じ記事に書かれています。
「両部門ともに映画デビュー5年の俳優が対象で、ダブルノミネートされた俳優もいるため、併せて議論した。」(出典:日刊スポーツ 選考会議論公開)
石原裕次郎新人賞の位置づけは、黒川想矢さんの受賞を伝える記事の注釈に次のとおり書かれています。
「裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られる」(出典:日刊スポーツ 【映画大賞】黒川想矢が石原裕次郎新人賞 史上最年少16歳、史上初の満票選出)
この注釈によると、石原裕次郎新人賞は1987年に亡くなった石原裕次郎さんの遺志を引き継いで日刊スポーツ映画大賞に併設された賞で、石原音楽出版社が運営に全面協力しています。
石原裕次郎新人賞は第38回が最後と報じられた
第38回の石原裕次郎新人賞は、黒川想矢さんが受賞しました。日刊スポーツは、受賞を伝える記事のリードで次のように書いています。
「最年少受賞、初の満票選出で、今年で最後となる同賞を記録ずくめで飾った。」(出典:日刊スポーツ 【映画大賞】黒川想矢が石原裕次郎新人賞 史上最年少16歳、史上初の満票選出)
同じ記事には、黒川さん本人がその点を聞いたときの反応も載っています。
「本当に僕でいいんですか。選んでくださってありがとうございます」(出典:日刊スポーツ 黒川想矢が石原裕次郎新人賞)
受賞そのものについては、「僕でいいのかなと思いました。ものすごくうれしい半面、とても責任を感じました」と話しています(同じ出典)。受賞時の年齢は16歳で、前回の第37回に受賞した齋藤潤さんの最年少記録を1歳更新しました。満票での受賞は、日刊スポーツ映画大賞の石原裕次郎新人賞で史上初です(出典:日刊スポーツ映画大賞 公式トップ)。
第39回以降に石原裕次郎新人賞がどうなるのか、新人賞の選考がどう変わるのかについては、公式の概要ページ・トップページ・歴代受賞者ページのいずれにも記載がありません。
第38回(2025年)の選考経過
第38回の選考会は、2025年11月22日に東京・築地の日刊スポーツ本社で開かれました。受賞者の発表は12月28日で、10部門が発表されています。この回は『国宝』が作品賞、李相日監督の監督賞、吉沢亮さんの主演男優賞をはじめ、史上最多の6冠になりました(出典:日刊スポーツ 【映画大賞まとめ】日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞など10部門発表)。選考会での議論は、12月29日付の記事で公開されました。
新人賞のノミネート5人
| 氏名 | 年齢(記事の表記) | 対象作品 |
|---|---|---|
| 黒川想矢さん | 16 | 『国宝』『この夏の星を見る』 |
| 鈴木唯さん | 12 | 『ルノワール』 |
| 南琴奈さん | 19 | 『ミーツ・ザ・ワールド』『花まんま』 |
| 黒崎煌代さん | 23 | 『見はらし世代』など |
| 林裕太さん | 25 | 『愚か者の身分』など |
(出典:日刊スポーツ 選考会議論公開。黒川さんと林さんの年齢は、黒川想矢さんの受賞記事と林裕太さんの受賞記事の表記)
石原裕次郎新人賞の候補者5人
| 氏名 | 年齢(記事の表記) | 対象作品 |
|---|---|---|
| 黒川想矢さん | 16 | 『国宝』『この夏の星を見る』 |
| 黒崎煌代さん | 23 | 『見はらし世代』など |
| 大森元貴さん | 29 | 『#真相をお話しします』 |
| 林裕太さん | 25 | 『愚か者の身分』など |
| 櫻井海音さん | 24 | 『推しの子』など |
(出典:日刊スポーツ 選考会議論公開)
2つのリストの両方に名前があるのは、黒川想矢さん、黒崎煌代さん、林裕太さんの3人です。黒崎煌代さんの人物記事はこちらにあります。
投票結果
| 賞 | 投票1回目 | 票数 |
|---|---|---|
| 石原裕次郎新人賞 | 黒川想矢さん(受賞) | 15(満票は史上初) |
| 新人賞 | 林裕太さん(受賞) | 9 |
| 新人賞 | 鈴木唯さん | 4 |
| 新人賞 | 南琴奈さん | 2 |
(出典:日刊スポーツ 選考会議論公開)
新人賞は、投票1回目で過半数の8票を上回る9票を得た林裕太さんに決まりました。林さんは受賞後、「小学校以来の賞状です」と笑っています(出典:日刊スポーツ 【映画大賞】林裕太が新人賞「今までやってきた集大成」)。
選考委員の発言
選考会の議論を伝える記事に載っている発言のうち、3人分を原文のまま引用します。
伊藤さとりさん:「石原裕次郎新人賞は、黒川さんでありたい。」「演技が素晴らしい。」
河内利江子さん:「線が細くて、と思っていましたが、今年、出演した作品を全て見ましたが、良かったし将来性をすごく感じました。」
石飛徳樹さん:「林裕太さんに、新人賞を受賞して欲しい。」「石原裕次郎新人賞っぽくはないですが、良い俳優さんになっていくと思うので賞をあげたい。」
(出典:日刊スポーツ 選考会議論公開)
石飛さんは、黒川さんについて「黒川さんには、スター性を感じる。」とも話しています。
歴代の受賞者(第30回〜第38回)
公式サイトの「歴代受賞者・作品」から、第30回〜第37回の新人賞と石原裕次郎新人賞を抜き出しました。第38回は公式トップの受賞一覧によります。回数と年は、歴代ページの「第◯回(年)」の表記のままです。
| 回 | 年 | 新人賞 | 石原裕次郎新人賞 |
|---|---|---|---|
| 第38回 | 2025年 | 林裕太 | 黒川想矢 |
| 第37回 | 2024年 | 中西希亜良 | 齋藤潤 |
| 第36回 | 2023年 | 井上雄彦監督 | 宮沢氷魚 |
| 第35回 | 2022年 | 河合優実 | 道枝駿佑 |
| 第34回 | 2021年 | 駒井蓮 | 眞栄田郷敦 |
| 第33回 | 2020年 | 服部樹咲 | 岡田健史 |
| 第32回 | 2019年 | 清原果耶 | 成田凌 |
| 第31回 | 2018年 | 平手友梨奈 | 岩田剛典 |
| 第30回 | 2017年 | 浜辺美波 | 竹内涼真 |
(出典:日刊スポーツ映画大賞 歴代受賞者・作品、日刊スポーツ映画大賞 公式トップ)
第36回の新人賞は「井上雄彦監督」で、新人賞には監督が受賞した回もあります。
この表の範囲では、すべての回で2つの賞に受賞者がいます。さかのぼると、石原裕次郎新人賞が「該当者なし」だった回があります。歴代ページを第1回から数えると、第38回までのうち16回です。直近では、第29回(2016年)と第28回(2015年)が「該当者なし」でした(出典:日刊スポーツ映画大賞 歴代受賞者・作品)。黒川想矢さんの受賞を伝える記事でも、石原音楽出版社の石原まき子さんが、審査会議で該当者なしの年もあることに触れています(出典:日刊スポーツ 黒川想矢が石原裕次郎新人賞)。
受賞者・候補者のその後
ここでは、第35回以降の受賞者のうち、当サイトに人物記事がある4人について、記事に出典付きで書いてある次の出演作や活動を紹介します。時点は、各人物記事の記載時点(2026年9月)です。
黒川想矢さん(第38回 石原裕次郎新人賞)
黒川想矢さんは、2026年11月6日公開の映画『3ミリの恋』でタツヒコ役を務め、主演です。相手役は韓国の俳優キム・ジアンさんで、釣りに明け暮れる高校生のタツヒコが、釜山から来た留学生と出会う物語です(出典:映画『3ミリの恋』公式サイト)。2025年には『国宝』『この夏の星を見る』などに出演しています(出典:Wikipedia「黒川想矢」)。
人物記事:黒川想矢の経歴と受賞歴|『3ミリの恋』タツヒコ役で主演・史上最年少の石原裕次郎新人賞
林裕太さん(第38回 新人賞)
林裕太さんは、2026年度前期のNHK連続テレビ小説『風、薫る』で書生の槇村太一を演じました。朝ドラの出演は、2024年度前期の『虎に翼』に続いて2回目です(出典:MANTANWEB(Yahoo!ニュース))。2026年10月10日に始まる日本テレビ系の土曜ドラマ『俺たちの箱根駅伝』では、山王大学の学生ランナー・倉科弾役で出演します(出典:日本テレビ『俺たちの箱根駅伝』公式サイト キャスト)。
人物記事:林裕太の経歴と出身大学|朝ドラ『風、薫る』槇村太一役の新人賞俳優
齋藤潤さん(第37回 石原裕次郎新人賞)
齋藤潤さんは、2027年1月10日から放送予定のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』で、小栗忠順の養子・小栗忠道を演じます。NHKは大河ドラマ初出演と紹介しています(出典:NHK『逆賊の幕臣』出演者発表)。映画では、香取慎吾さん主演の『高校生家族』(2027年1月8日公開予定)で家谷家の長男・光太郎を演じます(出典:映画ナタリー)。
人物記事:齋藤潤の経歴と受賞歴|大河『逆賊の幕臣』小栗忠道役・『カラオケ行こ!』で新人賞
河合優実さん(第35回 新人賞)
河合優実さんは、2026年10月7日からフジテレビ系で放送されるドラマ『ポリティカルパン』に、大物政治家の娘・小早川雅役で出演します。フジテレビ系の連続ドラマは初出演です(出典:産経ニュース)。同じ10月の22日からは、Netflixシリーズ『俺のこと、なんか言ってた?』が配信され、河合さんは野々村エマ役で出演します(出典:Netflix公式)。2025年には『あんのこと』で第48回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞しています(出典:Wikipedia「河合優実」)。
人物記事:河合優実さんのプロフィール記事
報知映画賞との違い
同じスポーツ紙主催の映画賞に、報知映画賞があります。報知映画賞の新人賞の資格は、投票規定で次のように書かれています。
「新人賞は原則として3年以内に本格デビューした俳優、監督とします。」(出典:スポーツ報知 報知映画賞 ファン投票ページ)
日刊スポーツ映画大賞の新人2部門は、日刊スポーツの記事で映画デビュー5年(石原裕次郎新人賞の注釈では「5年以内」)の俳優が対象と書かれています。報知映画賞が原則として3年以内の本格デビューとしているのに対し、日刊スポーツ映画大賞は映画デビューから5年以内で、起点も年数も異なります。報知映画賞の新人賞は、ファン投票の上位をもとに事務局がノミネートを決め、選考委員会が受賞者を決めます。ノミネートを集計して上位5人に絞る日刊スポーツ映画大賞の新人賞とは、決め方の入口が違います。報知映画賞の詳しい仕組みは、第51回報知映画賞 新人賞はいつ決まる?ファン投票の締切・選考の仕組み・歴代受賞者まとめにまとめています。
まとめ
- 日刊スポーツ映画大賞は1988年に設立され、新人を対象にした賞として新人賞と石原裕次郎新人賞があります。
- 新人賞はノミネートを集計した上位5人、石原裕次郎新人賞は各選考委員の推薦から、それぞれ選考会で議論して投票します。受賞は過半数の8票が条件です。対象は映画デビューから5年以内の俳優です。
- 日刊スポーツは、石原裕次郎新人賞が第38回で最後になると伝えています。
- 第38回は2025年11月22日に選考会が開かれ、石原裕次郎新人賞は黒川想矢さんが史上初の満票15票、新人賞は林裕太さんが9票で受賞しました。
- 歴代では、第36回に井上雄彦監督が新人賞を受賞しています。石原裕次郎新人賞が「該当者なし」だった回は、第38回までに16回あります。


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